共有持分だけを他人に売られてしまった…もう手放すしかない?|共有物分割請求(民法258条)という解決方法

共有物分割請求の仕組みを解説する柏市の行政書士だいち法務事務所のアイキャッチ画像 相続 遺言 不動産

「共有名義の実家について、他の共有者が自分に無断で持分だけを不動産会社に売ってしまった」というご相談を受けることがあります。柏市の行政書士だいち法務事務所です。共有持分は各共有者が単独で自由に処分できるため、こうした事態は法律上は起こり得ますが、その後の共有関係を解消する手段として「共有物分割請求」という制度が用意されています。

この記事の結論

  • 共有者は自分の持分について、他の共有者の同意なく単独で第三者へ売却できるとされており、見知らぬ第三者が新たな共有者になるケースが実際に生じ得ます。
  • 共有者間の話し合いで分割の合意ができない場合、民法258条にもとづき裁判所に共有物分割を請求できるとされています。
  • 裁判所は現物分割・賠償分割(他の共有者に持分を取得させ代償金を支払わせる方法)を優先し、これらが困難な場合に競売による分割を命じることができるとされています(2023年4月施行の改正民法で明文化)。

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共有持分は単独で売却できてしまう

相続によって複数人の共有名義になった不動産では、共有物全体の売却には共有者全員の同意が必要とされる一方、自分の持分だけであれば他の共有者の同意なく単独で売却できるとされています。生活資金の確保や関係悪化などを理由に、一部の共有者が持分だけを不動産会社や買取業者に売ってしまうケースは実務上珍しくないとされ、その結果、見知らぬ第三者が新たな共有者として登場することがあります。

話し合いで解決しない場合の「共有物分割請求」(民法258条)

共有物の分割について共有者間の協議が調わないとき、または協議自体ができないときは、各共有者は裁判所に分割を請求できるとされています(民法258条)。この制度は元の共有者だけでなく、持分を取得した第三者からも利用できるとされているため、新しく共有者になった買取業者側から分割請求や訴訟が起こされる可能性もある点には注意が必要です。

分割方法の優先順位と2023年改正のポイント

2023年4月施行の改正民法により、裁判による共有物分割の方法が明確化されたとされています。裁判所はまず、共有物をそのまま物理的に分ける「現物分割」や、共有者の一人が他の共有者へ代償金を支払って持分を取得する「賠償分割(価格賠償)」を検討し、これらの方法によることが困難な場合、または分割によって価値が著しく減少するおそれがある場合に「競売による分割」を命じることができるとされています。つまり、必ずしも不動産を手放す競売に至るとは限らず、話し合いや裁判の中で自分が持分を買い取って単独所有にする解決も選択肢になり得ます。

チェックリスト

  • ☐ 自分の共有持分の割合を登記簿で確認した。
  • ☐ 新たに共有者となった第三者の連絡先・意向を把握している。
  • ☐ 話し合いによる分割(自分での買取・持分の売却等)の可能性を検討した。
  • ☐ 話し合いが難しい場合の共有物分割請求の手続き・費用感を把握している。

Q. 見知らぬ第三者が共有者になった場合、その相手からいきなり分割請求をされることはありますか?

A. 共有物分割請求は各共有者に認められた権利であるため、新たに共有者となった第三者からも請求される可能性があるとされています。持分を取得した買取業者が分割請求や競売を通じて利益を得ようとするケースも実務上見られるとされており、注意が必要です。

Q. 共有物分割請求をすると、必ず不動産を手放すことになりますか?

A. 必ずしもそうとは限りません。自分が他の共有者の持分を取得して単独所有にする賠償分割という解決方法もあるとされています。どの方法が適切かは事案ごとの事情や資力によって異なるため、専門家に相談しながら方針を検討することをおすすめします。

ワンポイントアドバイス: 共有名義の不動産は、こうした持分の第三者売却も含めて将来のトラブルの火種になりやすいとされています。相続発生時点で単独所有・売却・換価分割等により共有状態そのものを解消しておくことも、有効な生前対策・遺産分割の選択肢の一つです。

まとめ

共有持分は各共有者が単独で売却できてしまうため、見知らぬ第三者が共有者になる事態は起こり得ます。話し合いで解決しない場合は共有物分割請求という制度があり、現物分割・賠償分割・競売という複数の解決方法が用意されています。心当たりのある方は早めに専門家へご相談ください。

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行政書士は遺産分割協議書の作成等を通じて共有状態を未然に防ぐご相談に対応できますが、共有物分割請求の訴訟対応や登記手続きは弁護士・司法書士との連携が必要になります。当事務所ではまず状況を整理し、適切な専門家へおつなぎしています。

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