相続した実家、貸すか売るか迷っていませんか?|賃貸に出すと使えなくなる空き家3000万円特別控除の注意点

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賃貸に出すと使えなくなる空き家3000万円特別控除の注意点

こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。

「相続した実家に誰も住む予定はないが、思い出のある家を手放すのは寂しい。とりあえず人に貸してみようか、それとも売ってしまうべきか」というお悩みは、実家を相続した方から比較的よく伺う状況として一般化できます。賃貸か売却かは家族の気持ちの整理も関わるため簡単に結論は出せませんが、税制上、賃貸を選ぶことで使えなくなる特例があるとされています。この記事では、判断の際に押さえておきたいポイントを整理します。

この記事の結論

  • 相続した空き家の譲渡所得3,000万円特別控除は、相続から譲渡まで賃貸・事業・居住のいずれにも使っていない家屋が対象とされています
  • 一度でも賃貸に出すと、その後に売却してもこの特別控除は使えなくなる可能性があるとされています
  • 賃貸なら安定した収入、売却なら維持管理の負担からの解放というそれぞれのメリットを踏まえ、早めに方針を検討することが望ましいと考えられます

「貸すか売るか、まだ決めきれない」という段階からご相談ください

「とりあえず貸してみる」が特例を消してしまう理由

被相続人が住んでいた空き家を売った場合、一定の要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例(租税特別措置法35条3項)があるとされています。この特例の要件には、「相続の時から譲渡の時まで、事業の用、貸付けの用、または居住の用に供されていないこと」が含まれているとされ、相続してから一度でも第三者に賃貸してしまうと、その後に売却してもこの特別控除が使えなくなる可能性があると考えられます。

「空き家のまま放置するより、とりあえず人に貸して収入を得ながら考えよう」という判断は自然な発想ですが、将来的に売却する可能性が少しでもある場合は、賃貸に出す前に特例の適用可否を確認しておくことが重要です。なお、この特別控除には、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であることなど、賃貸の有無以外にも複数の要件があるとされ、あわせて確認が必要です。

賃貸に出す場合のメリットと負担

賃貸を選ぶ場合、家賃収入という継続的な収益が得られる点が大きなメリットとされています。実家という思い出の場所を手放さずに済むという心理的な側面も、選択の理由になり得ると考えられます。一方で、旧耐震基準の建物であれば入居希望者が見つかりにくい、修繕費がかさむ、管理会社への委託費用がかかるといった負担が発生するとされ、空室が続けば固定資産税だけが持ち出しになるリスクもあります。相続人が複数いる場合は、賃料収入の分配方法や、将来の売却タイミングについても事前に取り決めておくことが望ましいと考えられます。

売却する場合に検討したいこと

売却を選ぶ場合は、維持管理や固定資産税の負担から解放される点、相続人間で現金化して分けやすい点がメリットとされています。前述の空き家の3,000万円特別控除が使えれば、税負担を抑えながら売却できる可能性がある一方、相続開始から一定の期間内に譲渡する必要があるとされ、判断を先延ばしにするほど期限が近づいてしまう点にも注意が必要です。また、空き家を放置したまま「特定空家」等に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が外れて税負担が増える可能性もあるとされ、賃貸・売却いずれを選ぶにしても、判断を先送りにしないことが重要と考えられます。

チェックリスト

  • ☐ 空き家の3,000万円特別控除の対象になり得る建物かどうかを確認している
  • ☐ 将来的に売却する可能性がゼロではないか、家族で話し合っている
  • ☐ 賃貸に出した場合の収支シミュレーション(家賃・修繕費・管理費)を把握している
  • ☐ 相続人が複数いる場合、賃料や売却代金の分配方法を確認している
  • ☐ 空き家のまま放置した場合の固定資産税上のリスクも把握している

よくある質問

Q. 少しの期間だけ貸しても、特別控除は使えなくなりますか?

A. 貸付けの期間の長短にかかわらず、相続から譲渡までの間に貸付けの用に供したことがあると、特別控除の対象外になり得るとされています。短期間でも慎重な判断が必要と考えられます。

Q. 相続人の一人だけが住む場合はどうなりますか?

A. 特別控除の要件である「居住の用に供されていないこと」に該当し得るため、相続人が住んでしまうと、その後の売却時に特別控除が使えなくなる可能性があると考えられます。誰かが住む予定がある場合は、事前に要件を確認しておくことをおすすめします。

Q. 結論が出るまで、空き家のままにしておいても問題ありませんか?

A. 空き家のまま放置すると、老朽化による近隣トラブルや、特定空家等に指定された場合の固定資産税負担の増加といったリスクがあるとされています。結論を急ぐ必要はありませんが、定期的な管理と並行して方針を検討することが望ましいと考えられます。

ワンポイントアドバイス: 「貸すか売るか」で迷っている間は、まず建物が空き家の3,000万円特別控除の対象になり得るかどうかを確認しておくと、その後の判断がしやすくなると考えられます。要件に当てはまりそうな場合は、賃貸に出す前に一度立ち止まって検討することをおすすめします。

実家を貸すか売るかは、税制上のメリット・デメリットだけでなく、ご家族の思い入れや将来の使い道によっても答えが変わる判断とされています。ここまで整理したポイントを踏まえつつ、「まだ迷っている」という段階でも、一緒に整理しながら考えていくことができます。

行政書士だいち法務事務所では、相続した不動産の名義変更前の全体整理や、遺産分割協議書の作成をサポートしています。相続登記(不動産の名義変更)は司法書士と、賃貸・売却の実務や不動産会社選びについては中立な立場からご案内し、相続税に関わる内容は税理士と連携してご案内します。

「実家をどうするか」の入口段階から、当事務所にご相談ください

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