もし自分が先に死んだら、子どもの後見人は誰に?|遺言による未成年後見人の指定(民法839条)

遺言による未成年後見人の指定(民法839条)を解説する柏市の行政書士だいち法務事務所のアイキャッチ画像 相続 遺言 不動産
指定できる人の条件と未成年後見監督人の指定を整理

「一人で子どもを育てているが、自分に何かあったら子どもの世話は誰がしてくれるのか」というご相談を受けることがあります。柏市の行政書士だいち法務事務所です。民法839条にもとづき、遺言によって未成年後見人を指定できる制度があるとされています。

この記事の結論

  • 民法839条により、未成年の子に対して「最後に親権を行う者」であり、かつ財産管理権を有する者は、遺言によって未成年後見人を指定できるとされています。
  • この指定は必ず遺言でする必要があり、生前の契約など他の方法では行えないとされています。あわせて未成年後見監督人を指定することも可能とされています。
  • 父母の一方が管理権を有しない場合(例:母親のみが親権者である場合等)は、管理権を有する他方の親が単独で指定できるとされています。

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どんな場合にこの指定が必要になるのか

未成年の子に対して親権を行う人が誰もいなくなったとき、後見が開始し、その子のために未成年後見人が必要になるとされています。典型的には、一人親家庭で唯一の親権者が亡くなった場合や、父母双方が亡くなった場合が想定されます。あらかじめ遺言で未成年後見人を指定しておかなければ、親族等の申立てにより家庭裁判所が後見人を選ぶ手続きに進むことになるとされ、選ばれるまでの間、子の財産管理や身上監護を担う人が定まらない状態が続く可能性があるとされています。

指定できる人の条件

未成年後見人を遺言で指定できるのは、その子に対して「最後に親権を行う者」であり、かつ財産管理権を有する者に限られるとされています。「最後に親権を行う者」とは、その人が死亡すれば親権を行う者がいなくなり、後見が開始することになる親権者を指すとされています。父母が共同で親権を行っている場合でも、一方が財産管理権を有しないとき(例えば身上監護のみを担うと定められている場合等)は、財産管理権を有する他方の親が単独で指定できるとされています。この点から、単独で親権を行っているひとり親の方は、この制度を特に意識しておく必要が高いといえます。

未成年後見監督人もあわせて指定できる

未成年後見人だけでなく、その後見人の事務を監督する未成年後見監督人についても、あわせて遺言で指定できるとされています。未成年後見人には未成年者の財産を管理する権限が集中するため、身内以外の第三者(専門家等)を後見人に指定する場合や、財産の規模が大きい場合には、監督人をあわせて指定しておくことで、後見事務の適正さを確保しやすくなると考えられます。指定にあたっては、実際に後見人・監督人を引き受けてもらえるかどうか、生前に本人の了承を得ておくことが望ましいとされています。

チェックリスト

  • ☐ 自分が「最後に親権を行う者」に当たるかどうかを把握している。
  • ☐ 未成年後見人として指定したい人に、生前に承諾を得る予定がある。
  • ☐ 財産の規模等に応じて、未成年後見監督人の指定も検討している。
  • ☐ この指定は遺言でのみ行えることを理解している。

Q. 夫婦で共同して親権を行っている場合、一方だけで指定できますか?

A. 父母が共同で親権を行い、双方が財産管理権を有している場合は、どちらか一方の死亡だけでは後見が開始しないため、単独での指定は想定されていないとされています。財産管理権を有しない親がいる場合等は取り扱いが異なるとされています。

Q. 指定した人が実際に後見人になってくれるとは限りませんか?

A. 遺言による指定があっても、指定された人が後見人への就任を辞退する可能性はあるとされているため、生前に本人の意思を確認しておくことが望ましいと考えられます。

ワンポイントアドバイス: 未成年後見人の指定だけでなく、遺言の中で「なぜこの人を選んだか」を付言事項として伝えておくと、指定された人・お子さま双方にとって心の準備がしやすくなると考えられます。あわせて財産の残し方(相続分の指定等)も一緒に整理しておくと安心です。

まとめ

ひとり親家庭など、自分が唯一の親権者である場合、遺言による未成年後見人の指定は、お子さまの将来を守るための重要な備えの一つとされています。指定できる人の条件や、監督人をあわせて指定できる点を踏まえ、早めに専門家へ相談しながら準備しておくことをおすすめします。

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