使わない実家の土地、国に引き取ってもらえる?|相続土地国庫帰属制度の要件と負担金の目安

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相続土地国庫帰属制度の要件と負担金の目安

こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。

「実家の土地を相続したものの、住む予定も売る当てもない」「毎年の固定資産税だけがかかり続けている」というお悩みは、少なくないようです。使う予定のない土地でも、相続すれば管理の負担や税金が発生し続けます。実は、一定の条件を満たせば、こうした土地を国に引き取ってもらえる制度があることをご存じでしょうか。

この記事の結論

  • 相続や遺贈で取得した土地は、一定の要件を満たせば「相続土地国庫帰属制度」により国に引き取ってもらえる場合があるとされています
  • 審査手数料は土地一筆につき1万4千円、加えて承認後には10年分の管理費相当額とされる負担金の納付が必要とされています
  • 建物がある土地や担保が付いている土地、境界が不明確な土地などは対象外とされ、誰でも無条件に利用できる制度ではない点に注意が必要です

「うちの土地は対象になる?」まずは状況の整理からご相談ください

「相続放棄すればいい」と思っていませんか?

使わない土地を手放したいとき、真っ先に「相続放棄」を思い浮かべる方も多いようです。しかし相続放棄は、特定の土地だけを選んで放棄することはできず、預貯金なども含めたすべての相続財産を放棄しなければならないとされています。「実家の土地だけはいらないが、預貯金は受け取りたい」という場合には、相続放棄では対応できないことになります。

令和5年(2023年)4月に始まった相続土地国庫帰属制度は、こうした「特定の土地だけを手放したい」というニーズに対応する制度として創設されたとされています。知らないまま相続放棄を選んでしまうと、他の財産まで手放すことになりかねない点は、意外と見落とされやすいポイントです。

どんな土地でも引き取ってもらえるわけではない

相続土地国庫帰属制度には、対象外となる土地の要件が定められているとされています。たとえば、建物が残っている土地、担保権(抵当権など)が設定されている土地、通路など他人による使用が予定されている土地、境界が明らかでない土地や所有権について争いがある土地、崖地など管理に過分な費用や労力がかかる土地などは、対象外とされています。

「実家を解体しないまま」「境界確認をしないまま」では申請自体ができない可能性がある、という点は見落とされがちです。事前に自分の土地がどの状態にあるか、整理しておく必要があります。

費用は「手数料」だけでは終わらない

審査手数料は土地一筆につき1万4千円で、申請書に収入印紙を貼付して納付するとされています。ここで注意したいのが、審査を通過して承認された後に、別途「負担金」の納付が必要になる点です。負担金は、土地の性質に応じた標準的な管理費用をもとに算出される10年分の管理費相当額とされ、金額は土地の種目や面積によって異なるとされています。法務省のウェブサイトには負担金の自動計算シートが用意されており、目安を確認できるとされています。

承認から負担金の通知が届いた後、30日以内に納付しないと承認が失効するとされている点にも注意が必要です。また、申請書の提出先は土地所在地を管轄する法務局・地方法務局の「本局」に限られ、支局や出張所では受け付けていないとされています。申請は本人または法定代理人のみが行うことができ、行政書士などの代理人が本人に代わって提出することはできないとされています。

チェックリスト

  • ☐ 土地の上に建物や工作物が残っていないか確認した
  • ☐ 担保権(抵当権等)が設定されていないか確認した
  • ☐ 隣地との境界が明らかになっているか確認した
  • ☐ 審査手数料(1筆1万4千円)と、承認後の負担金の目安を把握した

Q. 山林や農地でも対象になりますか?

A. 山林や農地であること自体が一律に対象外になるわけではないとされていますが、それぞれの土地の状態(境界の明確さ、傾斜、樹木の有無など)によって、対象外の要件に該当するかどうかが判断されるとされています。

Q. 負担金は必ず20万円程度なのでしょうか?

A. 宅地・田畑・森林など土地の種目や面積によって算定方法が異なるとされており、一律の金額ではありません。正確な目安は、法務省の負担金自動計算シートで確認することが望ましいと考えられます。

Q. まだ相続登記(名義変更)をしていませんが、申請できますか?

A. 制度の利用にあたっては、前提として相続登記など所有権の状況が整理されている必要があるとされています。登記が未了の場合は、司法書士に相談のうえ、まず名義変更を進めることになると考えられます。

ワンポイントアドバイス: 「とりあえず相続放棄」を選ぶ前に、本当に手放したい財産が土地だけなのか、預貯金など残したい財産があるのかを整理してみましょう。申請書類の作成は行政書士がサポートできますが、境界確定が必要な場合は土地家屋調査士、相続登記が未了の場合は司法書士との連携も視野に入れておくと安心です。

使わない土地を「とりあえず放置」してしまうと、管理不全による近隣トラブルや、将来的な費用負担が積み重なっていくことも考えられます。相続土地国庫帰属制度は万能な制度ではありませんが、選択肢のひとつとして早めに検討しておく価値はあるといえそうです。

対象になるか分からない土地も、まずは整理からお手伝いします

申請書の提出はご本人が法務局本局へ行う必要があります。当事務所では申請書類の作成をサポートいたします。境界確定が必要な場合は土地家屋調査士、相続登記が未了の場合は司法書士をご紹介いたします。

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