亡くなる前後に預金が引き出されていた…これって使い込み?|相続人による使途不明金の調査と対処法

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相続人による取引履歴の開示請求と使途不明金への対処法

こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。

「親の通帳を見たら、亡くなる直前に不自然な高額の引き出しが何度もあった。同居していた兄が使い込んだのではないか」というご相談を受けることがあります。いわゆる「使途不明金」の問題は、相続人同士の関係がこじれる大きな原因のひとつとされています。

この記事の結論

  • 相続人は、被相続人名義の口座の取引履歴を金融機関に単独で開示請求できるとされています。
  • 使途不明金が判明しても、直ちに違法な使い込みと決めつけることはできません。
  • 不当な引き出しと判明した場合は、不当利得返還請求や不法行為に基づく損害賠償請求といった法的手段が考えられます。

使途不明金にお悩みの方は、まずご相談ください

まずは取引履歴を取り寄せて事実を確認する

使途不明金が疑われる場合、最初にすべきことは感情的な追及ではなく、客観的な事実の確認です。判例上、共同相続人の一人は、被相続人名義の預貯金口座について、単独で金融機関に取引履歴(過去の入出金明細)の開示を請求できるとされています。委任状や他の相続人の同意は不要で、戸籍謄本等で相続人であることを証明できれば開示に応じてもらえるのが一般的です。

取引履歴を確認し、いつ・いくら・どのように引き出されたか(ATMか窓口か)を時系列で整理することが、その後の話し合いや法的手続きの土台になります。

「使途不明」だからといって、即「使い込み」とは限らない

高額の引き出しがあったとしても、それが被相続人自身の生活費・医療費・介護費用の支払いに充てられていたり、被相続人の意思にもとづく贈与であったりするケースも少なくありません。同居して介護をしていた相続人が、日々の生活費として管理していた場合、記録が曖昧になりやすいという事情もあります。

そのため、引き出した相続人に対しては、まず使途の説明を求め、レシートや領収書、介護記録などと突き合わせて確認するプロセスが重要になります。頭ごなしに「使い込みだ」と決めつけると、話し合いがこじれる原因にもなりかねません。

不当な引き出しと判明した場合の法的手段

説明を求めても合理的な使途が示されず、正当な理由のない引き出しだったと判断される場合は、不当利得返還請求や不法行為に基づく損害賠償請求といった法的手段を検討することになります。不当利得返還請求の時効は原則として権利を行使できる時から10年(主観的起算点からは5年)、不法行為に基づく請求は損害及び加害者を知った時から3年(行為の時から20年)とされているため、対応が遅れるほど請求できる範囲が狭まるおそれがあります。

なお、被相続人の生前に引き出された財産については遺産分割の対象そのものではなく、別途、民事上の請求として整理する必要がある点も実務上の注意点です。

チェックリスト

  • ☐ 金融機関から取引履歴(過去数年分)を取り寄せた。
  • ☐ 不自然な引き出しの時期・金額・方法を時系列で整理した。
  • ☐ 引き出した相続人に使途の説明を求めた。
  • ☐ 領収書・介護記録など、裏付けとなる資料の有無を確認した。

Q. 取引履歴は何年分さかのぼって取得できますか?

A. 金融機関の保存期間内であれば取得できるとされていますが、保存期間は金融機関ごとに異なり、10年程度としているところが多いようです。詳細は各金融機関に確認する必要があります。

Q. 使い込みが判明した場合、遺産分割協議とは別に解決する必要がありますか?

A. 相続人全員が使途不明金の扱いについても合意できれば、遺産分割協議の中で調整することも可能とされています。合意ができない場合は、別途民事訴訟等での解決が必要になることがあります。

ワンポイントアドバイス: 使途不明金の問題は、感情的な対立に発展しやすいテーマです。まずは客観的な資料(取引履歴)を集めることから始め、話し合いの土台を整えることをおすすめします。

まとめ

使途不明金は、取引履歴の開示請求という形で相続人単独でも事実確認を始めることができます。ただし使途不明=違法な使い込みとは限らないため、まずは事実確認と説明を求めるところから始め、それでも解決しない場合に法的手段を検討する、という順序が大切です。

相続人調査・財産調査のご相談は当事務所へ

なお、不当利得返還請求や損害賠償請求の訴訟対応は弁護士の専門分野です。当事務所では、取引履歴の整理や相続人調査など、話し合いの前提となる資料整備からサポートしています。

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