「弁護士を挟まずに家族だけで話し合っていたが、感情的な対立が続いて一向にまとまらない」というご相談を受けることがあります。柏市の行政書士だいち法務事務所です。遺産分割の話し合いが平行線のまま進まないとき、次にどのような手続きに進めるのかを知っておくと、いたずらに時間だけが過ぎてしまう事態を避けやすくなります。
この記事の結論
- 相続人間の話し合い(遺産分割協議)がまとまらない場合、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることができます。
- 調停でも合意に至らなければ、あらためて申立てをしなくても「審判」の手続きに自動的に移行するとされています。
- 調停・審判とも解決までに半年〜1年以上かかることが少なくないため、早めに専門家へ相談しておくことが望ましいといえます。
話し合いが進まない遺産分割は、まずご相談ください
話し合いが平行線のとき、次にできる選択肢
相続人だけで話し合いを続けようとすると、感情的な対立が深まり、かえって長期化してしまうことがあります。この段階で検討したいのが、家庭裁判所を利用する「遺産分割調停」です。調停は話し合いの延長として、裁判所が間に入り、中立的な立場で解決案を提示してくれる手続きとされています。
遺産分割調停の申し立てと管轄
遺産分割調停の申立ては、原則として相手方(対立している相続人)のうち一人の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行うとされています(家事事件手続法245条1項)。ただし、相続人全員の合意があれば、合意した家庭裁判所(合意管轄)で行うことも可能とされています。管轄が遠方になりそうな場合は、事前に合意管轄の活用を検討するとよいでしょう。
調停手続では、調停委員が当事者双方から個別に事情を聴き取り、必要に応じて遺産の鑑定などを行いながら、各当事者の希望を踏まえた解決案を提示し、合意を目指して話し合いが進められるとされています。
調停が不成立なら「審判」へ自動的に移行する
調停で合意に至らず不成立となった場合、あらためて別の手続きを申し立てる必要はなく、自動的に「審判」の手続きに移行するとされています。審判では、裁判官が遺産に属する物や権利の種類・性質その他一切の事情を考慮したうえで、分割方法を判断します。話し合いによる自主的な解決ではなくなるため、当事者の希望どおりの結果になるとは限らない点に注意が必要です。
解決までにかかる期間の目安
調停・審判にかかる期間は事案によって大きく異なりますが、相続人の人数が多い場合や遺産の内容が複雑な場合、半年から1年以上を要することも少なくないとされています。長期化するほど、相続税の申告期限(原則10か月)を意識した対応(未分割申告・分割見込書の提出など)もあわせて必要になるため、早い段階で見通しを立てておくことが重要です。
チェックリスト
- ☐ 相続人間の話し合いがまとまらない理由(感情面か、分割方法か)を整理した。
- ☐ 遺産分割調停の申立て先(相手方の住所地の家庭裁判所)を確認した。
- ☐ 相続人全員での合意管轄の活用を検討した。
- ☐ 相続税の申告期限(原則10か月)を意識したスケジュールを把握している。
Q. 調停を申し立てるには弁護士に依頼しないといけませんか?
A. 本人で申し立てることも可能とされていますが、調停・審判の場での主張や交渉を代理人として行う場合は弁護士の職域となります。当事務所では、必要に応じて連携先の弁護士をご紹介しています。
Q. 調停の話し合いで相手と直接顔を合わせる必要がありますか?
A. 調停期日では当事者が同席せず、調停委員が交互に事情を聴く方式が一般的とされています。直接顔を合わせずに進められる点も、話し合いが難しい場合の利点といえます。
ワンポイントアドバイス: 遺産分割調停の申立書には、相続人の範囲や遺産の内容を一覧にした資料の添付が必要です。申立て前に戸籍の収集や財産目録の整理を進めておくと、その後の手続きがスムーズになります。
まとめ
話し合いがまとまらない場合は遺産分割調停、それでも解決しなければ審判へと進みます。解決までに時間がかかることを見越して、早めに専門家へ相談し、必要な資料の準備を進めておくことが大切です。
遺産分割協議書の作成・調停の準備もお任せください
調停・審判での代理交渉は弁護士の職域となるため、必要に応じて連携先の弁護士をご紹介いたします。当事務所では、遺産分割協議書の作成や、調停の申立てに必要な戸籍・財産目録の収集をサポートしています。
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