遺言執行者の報酬はどう決まる?|家庭裁判所の基準と遺言書に書いておくべきこと

遺言執行者の報酬の決まり方(民法1018条)を解説する柏市の行政書士だいち法務事務所のアイキャッチ画像 相続 遺言 不動産
家庭裁判所の判断基準と、遺言書に報酬額を書いておくメリットを整理

「遺言執行者を頼みたいが、報酬をいくら払えばいいのか見当がつかない」というご相談を受けることがあります。柏市の行政書士だいち法務事務所です。遺言執行者の報酬は、遺言書に金額の定めがあるかどうかによって決まり方が変わり、定めがない場合は相続人との協議や家庭裁判所の判断に委ねられる仕組みになっているとされています。

この記事の結論

  • 遺言書に報酬額の定めがあれば、原則としてその金額が優先されるとされています(民法1018条ただし書)。
  • 定めがない場合は相続人との協議で決めるのが一般的ですが、折り合いがつかなければ家庭裁判所に報酬額を定めてもらう手続きが用意されているとされています。
  • 家庭裁判所は相続財産の状況や執行事務の難易度など複数の事情を考慮して金額を決めるとされ、あらかじめ相場を予測しにくい点に注意が必要です。

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報酬が決まる3つのパターン

遺言執行者の報酬は、大きく分けて3つのパターンで決まるとされています。1つ目は遺言書に報酬額があらかじめ記載されており、それをそのまま受け取るケース。2つ目は遺言書に記載がなく、相続人との話し合いによって金額を合意するケース。そして3つ目は、話し合いがまとまらない場合に家庭裁判所へ申立てを行い、審判で報酬額を定めてもらうケースです。実務上は専門家に依頼する場合、依頼時点で報酬額や算定方法を契約書等に明記しておくことが多いとされています。

家庭裁判所はどんな基準で金額を決めるのか

民法1018条は「家庭裁判所は、相続財産の状況その他の事情によって遺言執行者の報酬を定めることができる」と規定しているとされています。具体的には、相続財産の種類や総額、執行事務の内容・難易度、遺言執行者自身の地位や専門性、遺言者との関係性など、個別の事情を総合的に考慮して判断されるとされ、明確な算定式が定められているわけではありません。そのため、事前に家庭裁判所が定める金額を正確に見積もることは難しいとされています。

遺言書に報酬額を書いておくメリット

報酬額をめぐるトラブルを避けたい場合、遺言書の作成段階であらかじめ報酬額や算定方法(遺産総額の一定割合とする、固定額とする等)を明記しておく方法があります。専門家に遺言執行者を依頼する場合、遺産総額の数パーセント程度を目安とする例が多いとされていますが、事務所や案件の内容によって幅があるため、依頼前に見積もりを確認しておくことが望ましいとされています。あわせて、遺言執行者が報酬を受け取る際のルールには、民法648条の受任者の報酬に関する規定が準用されるとされています。

チェックリスト

  • ☐ 遺言書に遺言執行者の報酬額(または算定方法)が記載されているか確認している。
  • ☐ 記載がない場合、相続人間で報酬について話し合う段取りを考えている。
  • ☐ 専門家に依頼する場合の報酬相場・見積もりを事前に確認している。
  • ☐ 家庭裁判所への報酬付与審判の申立てが必要になる可能性も把握している。

Q. 家族を遺言執行者にした場合も報酬は必要ですか?

A. 必ずしも必要ではないとされています。遺言書に無報酬と明記したり、家族間の合意で無報酬とすることも可能とされていますが、後々のトラブルを避けるため、報酬の有無を遺言書に明記しておくことが望ましいと考えられます。

Q. 家庭裁判所に報酬を決めてもらう場合、費用や期間はどのくらいかかりますか?

A. 申立てには収入印紙や郵便切手代など一定の実費がかかり、審判までの期間は事案によって異なるとされています。個別の見通しについては、申立てを検討する段階で確認することをおすすめします。

ワンポイントアドバイス: 家庭裁判所が定める報酬額に対しては、原則として不服申立てができないとされています。金額をめぐる後々のトラブルを避けたいのであれば、遺言書作成の時点で報酬額や算定方法を具体的に定めておくことをおすすめします。

まとめ

遺言執行者の報酬は、遺言書に定めがあればそれが優先され、定めがなければ相続人との協議、それでもまとまらなければ家庭裁判所の審判で決まる仕組みになっています。金額の見通しを立てにくい制度だからこそ、遺言書を作成する段階で報酬について具体的に取り決めておくことが、後のトラブル防止につながります。

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