相続した実家の固定資産税、名義変更前は誰が払う?|相続人代表者指定と現所有者申告の仕組み

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相続人代表者指定と現所有者申告の仕組み

こんにちは。柏市の行政書士だいち法務事務所です。

「実家の名義変更(相続登記)がまだ済んでいないのに、市役所から固定資産税の納税通知書が届いた。誰が払えばいいのか」というご相談を受けることがあります。名義変更前であっても、固定資産税の納税義務そのものはなくならないとされており、放置してしまうと思わぬ落とし穴につながることもあります。

この記事の結論

  • 被相続人の固定資産税の納税義務は、地方税法9条により相続人に承継されるとされています
  • 遺産分割が終わっていない不動産は相続人の共有状態にあり、地方税法10条の2により相続人全員が連帯して納税義務を負うとされ、市区町村はそのうちの誰に対しても全額を請求できるとされています
  • 納税通知書の送付先を一本化したい場合は「相続人代表者指定届」を、名義変更前の所有者情報を伝えるには「固定資産現所有者申告」を市区町村に提出する必要があるとされています

名義変更(相続登記)がまだの実家、放置せずにご相談ください

名義変更前でも納税義務はなくならない

固定資産税は、毎年1月1日時点の登記名義人に対して課税される仕組みになっているとされています。所有者が亡くなった後、まだ相続登記(名義変更)が済んでいない間は、地方税法9条により、被相続人の納税義務がそのまま相続人へ承継されるとされています。相続人が複数いる場合は、各相続人が法定相続分に応じて義務を負うのが原則ですが、遺産分割が終わっていない不動産は相続人全員の共有状態にあるため、地方税法10条の2により、相続人全員が連帯して納税義務を負うとされています。これは、市区町村が相続人のうち誰か一人に対して、税額の全額を請求できることを意味するとされ、「自分は関係ない」と思っていた相続人にも請求が及ぶ可能性がある点は見落とされやすい落とし穴といえます。

納税通知書の送付先を一本化する「相続人代表者指定届」

相続人が複数いる状態で、それぞれに納税通知書が届いてしまうと、支払いの調整が煩雑になりがちです。そこで、地方税法9条の2にもとづき、相続人の中から代表者を1人指定し、その代表者宛てに納税通知書をまとめて送付してもらう「相続人代表者指定届」という仕組みが設けられているとされています。届出をしないまま相当の期間が過ぎた場合、市区町村側が相続人の1人を代表者として指定できるともされているため、自分たちで代表者を決めて届け出ておく方が、後の手続きがスムーズになると考えられます。

見落としやすい「現所有者申告」の義務化

2020年度(令和2年度)の税制改正により、地方税法384条の3にもとづく「固定資産現所有者申告制度」が設けられ、令和2年4月から義務化されているとされています。これは、登記簿上の所有者が亡くなっている土地・家屋について、実際に所有している人(現所有者)が、その事実を知った日の翌日から3か月以内に、市区町村へ氏名・住所などを申告しなければならないという制度です。正当な理由なく申告をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があるとされており、「相続登記をすればいいだけ」と思っていると、登記までの間の申告義務を見落としてしまう恐れがあります。相続人代表者指定届と現所有者申告は、あわせて1枚の様式(相続人代表者指定届兼固定資産現所有者申告書)として案内している市区町村も多いとされていますので、実家が所在する市区町村(柏市・松戸市・流山市・我孫子市など)の窓口や公式サイトで様式を確認するとよいでしょう。

チェックリスト

  • ☐ 実家の固定資産税の納税通知書が誰宛てに届いているか確認した
  • ☐ 相続人代表者指定届を提出するかどうか、相続人間で話し合った
  • ☐ 現所有者申告(相続人代表者指定届兼固定資産現所有者申告書等)の提出期限(知った日の翌日から3か月以内)を把握している
  • ☐ 相続登記(名義変更)の申請時期についても検討している

Q. 相続放棄をすれば、固定資産税を払わなくてよくなりますか?

A. 家庭裁判所で相続放棄が受理されれば、その人は初めから相続人でなかったものとみなされ、固定資産税の納税義務も負わなくなるとされています。ただし、相続放棄には申述の期限(原則3か月以内)があり、他のプラスの財産も受け取れなくなる点に注意が必要です。

Q. 代表者指定届を出した人が、そのまま単独で税金を負担することになりますか?

A. 代表者指定届は、あくまで納税通知書の送付先をまとめる手続きとされており、代表者が最終的な負担割合まで単独で決められるものではないと考えられます。実際の負担割合は、相続人間の合意や、最終的な遺産分割の内容にあわせて精算するのが一般的とされています。

Q. 現所有者申告をすれば、相続登記をしなくてもよいのでしょうか?

A. 現所有者申告と相続登記は別の制度とされています。2024年4月からは相続登記自体が義務化されており、原則として不動産取得を知った日から3年以内の申請が必要とされているため、現所有者申告をしたからといって相続登記の義務がなくなるわけではないとされています。

ワンポイントアドバイス: 名義変更前の固定資産税は、連帯納税義務という仕組み上、相続人の誰か一人に全額の請求が及ぶこともある点に注意が必要とされています。相続人間で早めに代表者を決め、届出と申告をあわせて済ませておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなると考えられます。

実家の名義変更が終わっていない間も、固定資産税の納税義務や申告義務は続いているとされています。「まだ名義変更していないから関係ない」と思わず、相続人代表者指定届・現所有者申告の提出状況を確認し、あわせて相続登記の進め方も早めに検討しておくことをおすすめします。

相続登記に向けた戸籍収集・遺産分割協議書の作成は、当事務所にお任せください

当事務所では、遺産分割協議書の作成や戸籍収集のサポートを行っております。実際の相続登記(名義変更)の申請は司法書士と、固定資産税・相続税に関わる内容は市区町村の窓口や税理士と連携してご案内します。

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