実家の建物が未登記だった…相続登記はできる?|表題登記と未登記建物特有の手続き

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未登記建物は表題登記が前提となる点と手続きの流れを解説

「実家の名義変更をしようと登記簿を調べたら、建物がそもそも登記されていないことが分かった」というご相談を受けることがあります。柏市の行政書士だいち法務事務所です。特に古い建物では、増改築を繰り返すうちに登記されないまま今に至っているケースが少なくありません。未登記のままでは通常の相続登記ができないため、まず別の手続きが必要になります。

この記事の結論

  • 未登記建物は、いきなり相続登記(権利部の登記)をすることができないとされています。
  • まず「表題登記」(建物の存在・構造・床面積等を登記記録に反映させる手続き)を行う必要があります。
  • 表題登記には申請義務があり、義務を怠ると過料の対象になり得るとされています。

未登記建物の相続でお悩みなら、まずご相談ください

「表題登記」と「権利部の登記」は別のもの

不動産登記には、大きく分けて2種類の登記があります。ひとつは、建物の所在・構造・床面積といった物理的な状況を記録する「表題登記(表示に関する登記)」、もうひとつは、所有者が誰であるかを示す「権利部の登記(所有権保存登記・所有権移転登記など)」です。一般に「相続登記」と呼ばれるのは後者の権利部の登記を指します。

未登記建物の場合、そもそも建物自体が登記記録に存在しないため、権利部の登記(相続登記)を申請する前提として、まず表題登記を行い、建物の存在を登記記録に反映させる必要があるとされています。

表題登記には申請義務がある

不動産登記法47条により、建物を新築した場合や、未登記であることが判明した場合は、原則として1か月以内に表題登記を申請する義務があるとされています。この義務を怠ると、10万円以下の過料の対象になり得るとされているため、「古い建物だから今さら登記しなくても」と放置するのはリスクがあります。

2024年4月に義務化された相続登記(3年以内、過料10万円以下)とあわせて、未登記建物の場合はこの表題登記の申請義務も意識しておく必要があります。

未登記建物を相続した場合の手続きの流れ

実務上の一般的な流れとしては、まず土地家屋調査士に依頼して現地調査を行い、建物の構造・床面積等を確定させたうえで表題登記を申請します。表題登記が完了すると、次に司法書士が所有権保存登記(相続人名義での登記)を申請するという二段階の手続きになります。表題登記は土地家屋調査士、権利部の登記は司法書士と、専門家が分かれる点も特徴です。

登記がなくても固定資産税は課税されていることが多い

「登記されていないのに固定資産税の通知が来ている」と驚かれる方もいらっしゃいますが、固定資産税は市区町村の家屋調査(現況調査)にもとづいて課税されるため、登記の有無とは別に課税されているケースが一般的とされています。つまり、課税されているからといって登記が済んでいるとは限らない、という点は見落とされがちなポイントです。

チェックリスト

  • ☐ 登記簿(登記事項証明書)で建物が実際に登記されているか確認した。
  • ☐ 未登記の場合、土地家屋調査士への表題登記の依頼を検討した。
  • ☐ 表題登記完了後の所有権保存登記(相続人名義)の流れを把握した。
  • ☐ 固定資産税の課税状況と登記の有無は別問題であることを理解している。

Q. 建物が未登記かどうかは、どうすれば分かりますか?

A. 法務局で登記事項証明書を取得し、該当する建物の記録が存在するかどうかで確認できるとされています。名寄帳や固定資産税の課税明細だけでは登記の有無は分からない点に注意が必要です。

Q. 表題登記の費用はどのくらいかかりますか?

A. 建物の状況や依頼する土地家屋調査士によって異なりますが、現地調査や書類作成の手間がかかるため、権利部の登記とは別に費用が発生するとされています。詳細は土地家屋調査士にご確認ください。

ワンポイントアドバイス: 未登記建物は、相続登記の義務化をきっかけに発覚するケースが増えています。「うちは大丈夫」と思い込まず、まずは登記簿を確認することから始めることをおすすめします。

まとめ

未登記建物を相続した場合は、いきなり相続登記(権利部の登記)をすることができず、まず表題登記で建物の存在を登記記録に反映させる必要があります。表題登記には申請義務もあるため、放置せず早めに土地家屋調査士・司法書士に相談し、二段階の手続きを進めることをおすすめします。

未登記建物を含む相続手続きの整理はお任せください

なお、表題登記は土地家屋調査士、所有権保存登記は司法書士の専門分野です。当事務所では、相続人調査や遺産分割協議書の作成を行い、必要に応じて土地家屋調査士・司法書士をご紹介しています。

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