相続で実家を取得したら、不動産取得税はかかる?|相続は非課税(地方税法73条の7)・課税される遺贈と死因贈与の違い

相続で取得した不動産は不動産取得税が非課税になる仕組みと、課税される遺贈・死因贈与との違いを解説する柏市の行政書士だいち法務事務所のアイキャッチ画像 相続 遺言 不動産
相続は非課税(地方税法73条の7)・課税される遺贈と死因贈与の違い

「実家を相続することになりました。家を買ったときのように、不動産取得税も払わないといけないのでしょうか」というご質問をいただくことがあります。柏市の行政書士だいち法務事務所です。結論からお伝えすると、相続(遺産分割による取得を含む)で土地や建物を取得した場合、不動産取得税は課されないとされています(地方税法73条の7第1号)。ただし、同じ「亡くなった方から受け取る」ケースでも、相続人以外の人への特定遺贈や死因贈与では課税の対象になるため、違いを押さえておくことが大切です。

この記事の結論

  • 相続、包括遺贈、相続人に対する遺贈による不動産の取得には、不動産取得税は課されないとされています(地方税法73条の7第1号)。
  • 相続人以外の人が特定の不動産を遺贈で受け取る場合や、死因贈与・生前贈与で取得する場合は、課税の対象となります。
  • 課税される場合の税額は、原則として「固定資産税評価額×税率」で計算され、令和9年3月31日までに取得した土地・住宅は税率3%、宅地は評価額を2分の1にする特例があるとされています。

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不動産取得税とは、どんな税金か

不動産取得税は、土地や建物を買ったり、贈与を受けたり、家を建てたりして不動産を取得したときに、一度だけ課される都道府県の税金です。柏市をはじめ千葉県内にある不動産であれば、千葉県が課税します。

毎年かかる固定資産税や、名義変更のときに納める登録免許税とは別の税金です。名前が似ているため混同されやすいのですが、課税する機関も、かかるタイミングもそれぞれ異なります。

相続で取得した場合に非課税となる範囲

地方税法73条の7第1号は、相続(包括遺贈と、被相続人から相続人に対してなされた遺贈を含む)による不動産の取得には、不動産取得税を課することができないと定めています。

遺産分割協議によって法定相続分より多く不動産を取得した場合も、相続による取得として非課税と扱われるのが一般的です。不動産を取得した相続人が、ほかの相続人に代償金を支払う「代償分割」の場合も、同じように考えられます。

相続で取得した後、県税事務所から取得の事実や原因を尋ねる書類が届くことがあるとされています。その場合は、案内に沿って相続による取得であることを申告しておくとよいでしょう。

課税される「遺贈」「死因贈与」との違い

注意が必要なのは、相続人ではない人が受け取るケースです。たとえば「長男の妻に自宅を遺贈する」「お世話になった知人に土地を遺贈する」といった遺言で、相続人以外の人が特定の不動産を受け取る(特定遺贈)場合には、非課税の規定が適用されず、不動産取得税が課されるとされています。

これに対し、「財産の3分の1を遺贈する」のように割合で指定する包括遺贈であれば、受け取る人が相続人以外でも非課税です。

死因贈与は、「自分が亡くなったらこの家をあげる」という贈与契約です。遺言と似ていますが法律上は贈与にあたるため、受け取る人が相続人であっても不動産取得税の対象になるとされています。生前贈与や、相続時精算課税を選んだ贈与で不動産を受け取った場合も同様です。

なお、一度成立した遺産分割をやり直して不動産を移す場合も、税務上は相続ではなく贈与などと扱われ、課税される可能性があります。名義変更の登録免許税も、相続人以外への遺贈は固定資産税評価額の2%とされ、相続(0.4%)より負担が重くなります。

課税される場合の税額の目安

税額は、原則として「固定資産税評価額×税率」で計算します。本来の税率は4%ですが、令和9年3月31日までに取得した土地と住宅は3%に軽減されています。同じ期限までに取得した宅地は、評価額を2分の1にして計算する特例も設けられています。

(参考例)固定資産税評価額2,000万円の宅地を、相続人以外の方が特定遺贈で受け取った場合、2,000万円×2分の1×3%=30万円が目安となります。住宅の敷地で一定の要件を満たす場合は、さらに減額を受けられることもあります。

また、課税標準となる額が土地で10万円未満、建物(新築以外の取得)で12万円未満の場合は、免税点として課税されないとされています。

チェックリスト

  • ☐ 不動産を受け取る人が、法律上の相続人かどうかを確認した。
  • ☐ 遺言書の文言が「相続させる」「包括遺贈」「特定遺贈」のどれにあたるか把握している。
  • ☐ 生前に「亡くなったらあげる」といった約束(死因贈与)をしていないか確かめた。
  • ☐ 固定資産税の課税明細書で、土地・建物の評価額を確認した。
  • ☐ 県から書類が届いたときに備え、遺産分割協議書や遺言書の写しを保管している。

Q. 孫に実家を遺贈する遺言を書いた場合、不動産取得税はかかりますか?

A. お孫さんが相続人でなければ、特定の不動産を遺贈すると不動産取得税の対象になると考えられます。一方、養子縁組をしている場合や、親が先に亡くなって代襲相続人になっている場合は、相続人に対する遺贈として非課税となります。

Q. 相続税と不動産取得税、両方かかることはありますか?

A. 相続人以外の人が特定遺贈で不動産を受け取った場合、相続税(要件によっては2割加算)と不動産取得税の両方の対象になり得ます。相続人が相続で取得した場合は、相続税がかかることはあっても、不動産取得税はかからないのが原則とされています。

ワンポイントアドバイス: 相続人以外の方に不動産を遺す遺言を考えている場合、「特定遺贈」にするか「包括遺贈」にするかで、不動産取得税や登録免許税の負担が変わります。ただし包括遺贈を受けた人は借金などのマイナスの財産も引き継ぐため、税金だけで決めるのは禁物です。遺言の文案を作る段階で、税理士など専門家の意見もあわせて確認しておきましょう。

まとめ

相続人が相続や遺産分割で実家を取得した場合、不動産取得税は課されないのが原則とされています。一方で、相続人以外への特定遺贈や死因贈与、生前贈与で受け取った場合は課税の対象となり、評価額によっては数十万円の負担になることもあります。誰に、どの方法で不動産を引き継ぐかによって税金が変わるため、遺言や生前の約束を考える段階から確認しておくと安心です。

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行政書士は、遺言書の文案作成、遺産分割協議書の作成、相続人調査(戸籍収集)を承っております。なお、相続登記の申請は司法書士、相続税の申告や税額の具体的な試算は税理士の業務となるため、必要に応じて適切な専門家をご案内いたします。

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